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上手な...
2021年06月30日
なんでも言うことを聞いてくれていたお子さまが、急に「自分でやる!」と主張する、「イヤ!」「ヤダ!」と反抗する、思い通りにできないことがあると泣き叫ぶ、そんなことはありませんか?
癇癪を起こされてお手上げ状態になってしまった経験がある方もいらっしゃるでしょう。
いったいなぜなのでしょう?
それ、「イヤイヤ期」が始まったのかもしれません。
この記事では、「イヤイヤ期」のお子さまについての理解を深めてもらいながら、子どもとコミュニケーションをとるときの心がけをチェックしていきたいと思います。
「イヤイヤ期」の親子での過ごし方の一つとして、たくさんの子どもたちを見てきた、小学館の幼児教室『ドラキッズ』の先生の心がけを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
一人ひとりの成長によって個人差があり、いつからいつまでとは言い難いですが、だいたい1歳過ぎに始まり、3歳くらいまでが多いとされています。男の子、女の子で差がある、激しい子もいれば、ないまま終わる子もいる、などとも言われます。4歳になってやっと落ち着いたという声も聞かれますが、「イヤイヤ期」のピークはおおむね2歳頃。自己主張が強くなり、自分の気持ちを押し通そうとするようになるので「ヤダヤダ期」「第一反抗期」「魔の2歳児」などと表現されることもありますね。
「イヤイヤ期」によく見られる行動
●ところ構わず泣きわめく、暴れる
●親の言うことに必ずイヤ・ヤダと返事する
●気に入らないと物を投げる
●食事中に遊び始めたり、食べものを投げたりする
●着替えや歯磨き、お風呂の際、逃げ回る
●眠い時や疲れた時にぐずる
上記で紹介したものは一例ですが、何をしても「イヤ」「ヤダ」で返されるので、戸惑いを感じる保護者の方も少なくありません。わが子にどう接して良いかわからなくなり、感情をぶつけてしまいたくなることもあるかもしれません。
しかし、「イヤイヤ期」は一過性のもの。子どもが自立心を育てるための重要な成長の過程であると理解することが大切です。自己主張が強くなることで、自分の意志を持ち、それを口に出して表現する力が育ちます。
一方で、この時期の子どもはまだ自分の感情をコントロールする能力が未熟で、自分の思い通りにならないときに怒りや悲しみを適切に表現できず、泣きわめいたり暴れたりするのです。このような行動は子ども自身にとっても辛いもの。親としては、子どもの感情を否定するのではなく、共感し理解を示すことが求められます。
「イヤイヤ期」は、親としても試練の時期かもしれませんが、子どもの成長と向き合う大切な時期でもあります。子どもの成長を支えつつ、親自身も一緒に成長できるように心がけてみてください。
「イヤイヤ期」は成長過程のひとつで必要なことだと言われています。では、この時期を通して、お子さまはどのように成長するのでしょうか。
●自我・自立心が芽生える
「イヤイヤ期」は自我や自立心が芽生える貴重な時期。なんでも自分でやりたいという欲求が出てきます。
例えば、着替えを手伝おうとすると、「自分で!」と保護者の方の手をさえぎったり、逃げ回ったりするのはそのためなのです。
「イヤイヤ」と言うことで、自分の意志を持つことの大切さを学び、自分自身を表現する勇気を育てています。この期間を通して、お子さまは自分と他人を区別する「自我の形成」や、自分の意見を持つことの大切さを学びます。「イヤ」と主張することで、自分の好きなことややりたいことを突き止めようとしています。「イヤ」と返されても、自分探しをしているのだと捉えましょう。
●さまざまな感情が芽生える
「やりたい」気持ちがあっても、自分の思い通りにできない、上手にできないのが「イヤイヤ期」のお子さまです。そのもどかしい思いをまだ言葉で上手に伝えられないため、「イヤ」「ヤダ」と言ったり、癇癪を起こしたりします。
また、「遊び疲れて眠い、寝たいけど遊びたい」「甘えたい、構って欲しい」と思っているのに、反抗的な言葉や態度を取ってしまうのも「イヤイヤ期」のお子さまによく見られる特徴です。
さまざまな感情が湧き上がっているものの、まだ感情のコントロールや言葉で表現することを上手にできないから、「イヤ」となってしまうことを憶えておくと良いですよ。
●コミュニケーション力を育む
「イヤイヤ期」は「イヤ」を通して、人との関わり方を学んでいます。
例えば、掃除をしたいのにおもちゃ遊びをやめようとしない時は「お掃除したいから、おもちゃを片付けて欲しいな」などとお子さまに自分の気持ちを伝えるようにしてみましょう。そうすると、自分の気持ちと相手の気持ちが違う場合もあるのだとお子さまが気付くことになります。
自分の都合だけでものごとが進まない時もある、と知ってもらうことで、相手を思いやる気持ちや自分の気持ちの折り合いの付け方が身についていきます。
「イヤイヤ期」は親子の信頼関係を築く大切な時期でもあります。親がお子さまの気持ちを理解し、対応することで、お子さまは「自分の気持ちは理解され、大切にされる」という信頼感を育みます。その信頼感は、お子さまが社会で人間関係を築く基盤となります。
そのような可能性を含んでいるので、「イヤイヤ期」はコミュニケーション能力を高めていくチャンスだと考えて、たくさん会話を交わすようにしましょう。
「イヤイヤ期」をうまく乗り越えるためには、親の適切な対応が必要です。次の章では、具体的な対応方法について詳しく解説します。
「イヤイヤ期」は成長の証だとわかっていても、「イヤ」が続くと余裕がなくなってしまいますよね。この時期のお子さまに向き合う親としての心がけや接し方のアイデアなどを紹介していきましょう。
「イヤイヤ期」のお子さまに接する時、大切にしたいのはお子さまの気持ちをまるごと受け止めること。たくさんの子どもたちと接している『ドラキッズ』の先生は、お子さまの気持ちに寄り添いながら「気持ちを切り替えさせる」「褒める」ことをおすすめしています。
教室で子どもたちに接する時のテクニックを教えてもらいました。
『ドラキッズ』の先生のテクニック
<気持ちを切り替えさせる>
おもちゃなどをお片付けする時は、お片付けの歌を歌いながら、みんなで楽しい雰囲気を作ります。まだ遊びたいと思っていたお子さまの気持ちをお片付けへと切り替えることになります。
<良いことをした時は褒める>
すんなりおもちゃを譲れないお子さまが「もっと遊びたい、譲りたくない」という気持ちと葛藤しながら切り替えができた時は、「もっと遊びたかったよね。でもお友だちに譲ってえらいね」と声をかけて、気持ちに寄り添いながら具体的に褒めることにしています。
ちゃんと褒めてあげることで、そのやり取りを見ていた他のお子さまたちも「どういう行動をするのが良いのか」を知ることになります。
家庭でも、お子さまが言うことを聞かない時は、気持ちの切り替えをできるように歌を口ずさんだり、「片づけたら○○しようね」などと他のものに興味が向くようにしたりしてみるのも良いですね。また、良いことをして褒められることはお子さまの自信につながりますので、たっぷり褒めることを心がけましょう。
また、「イヤイヤ期」の子どもへの接し方として、無理に自分の意志を押し通すのではなく、子どもが自分で選択できるように状況を整えることも効果的です。選択肢を2つ提供し、どちらかを選ばせるという方法です。これにより、子どもは自分で決断する力を養うことができますよ。
大人の気分でお子さまを怒ったり、お子さまの主張を無視したりするのはダメな対応です。そのように対処すると、「自分の言うことは受け止めてもらえない、聞いてくれない」と感じ、お子さまの自己肯定感が育ちにくくなります。「イヤ」という気持ちを表に出すことができなくなり、自我や自立心の芽生えが摘み取られてしまいます。感情の出し方を身に付けることなく成長するので、感情を上手に出せない、あるいは感情のコントロールができない子どもに育ってしまうことも考えられます。
とは言え、「いや」という気持ちをすべて受け入れるというのも甘やかしすぎにつながる可能性があります。やってはいけないことや危険なことを「やりたい」と主張したら、できない理由をきちんと言葉で伝えましょう。
良いこと、悪いことをしっかり教えながら、愛情をかけてお子さまの気持ちに寄り添うことで、お子さまの「イヤ」が少なくなっていくと良いですね。
「イヤイヤ期」は親自身のストレスマネジメントも重要です。自分自身がイライラしてしまうと、子どもに対する接し方も硬くなりがち。自分自身の気持ちをコントロールすることから始めることをおすすめします。
最近の子育てはワンオペ育児になることが多いと言われています。親子が1対1で向き合っていると行き詰まりを感じることもあることでしょう。
そんな時には、幼児教室を利用してみるのも一つの解決策です。幼児教室は子どもたちが新しい環境に触れ、初めての体験を通じて「イヤイヤ期」を乗り越えて成長する場となります。
幼児教室では、同じくらいの年齢の他の子どもたちと一緒に過ごすことにより、社会性を学びます。家族ではない他人との関わり方やコミュニケーションの取り方を覚えていきます。「イヤイヤ期」の子どもが自分以外の大人と関わることは、自己主張をしっかりと持つ機会になるとともに、社会性を身につける大切な経験でもあります。親が言うと「イヤ」と反抗してしまうことも、教室の先生や友だちの声は受け入れやすくなることもあります。「イヤイヤ期」の子どもたちが自主性を身につけ、社会性を身につけていくきっかけになるでしょう。当初は泣いてしまうかもしれませんが、子どもが自分の意志を持ち始める「イヤイヤ期」だからこそ、母子分離の経験も成長の一歩となるでしょう。
また教室に参加するママたちと「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と気持ちを共有することもできますよ。幼児教育のプロである先生からのサポートを心強く感じることもできるでしょう。先生の子どもに対する声のかけ方などを普段の育児に取り入れるのも良いですね。
お子さまも家庭ではできないことを体験できますし、お友だちとの触れ合いからたくさんの刺激を受けます。幼児教室は「イヤイヤ期」を乗り越えるだけではなく、お子さまの成長を促すことにもつながります。
幼児教室は「イヤイヤ期」を乗り越えて成長できる場所です。親子共に新たなステージを迎えるための一歩として、ぜひ活用してみてください。