小学館の幼児教室ドラキッズ

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子育て・育児

2020年05月25日

自己肯定感が高まる!幼児期の「ほめられ体験」

大人でも子どもでも「ほめられる」と誇らしい気持ちになって、自分に自信が持てますよね。

保護者の皆さまは、日頃、たくさんお子さまをほめていますか?
ほめるって案外難しいもの。

「子育てに余裕がなくて、ほめることまで意識が向かない」
「どんなときにどうやってほめたらいいのか、よくわからない」
「注意する言葉かけが多く、ほめることは少ない」

という人もいるかもしれません。
子どもが何かしようと行動を起こすと、ついつい気になって「それはダメよ!」「やめなさい」「こうしなさい」と押し付けるような言い方になって、後で自己嫌悪…なんてこともあるでしょう。

しかし、「ほめられた」ことをきっかけに、興味が広がったり、他のことにも積極的になったりする場合もあるため、ほめることは子どもの成長・発達の上でとても大切。
親が自分のことを見てほめていると子ども自身が実感すれば、親子の信頼関係も深まっていきます。
子どもの可能性を広げる上手なほめ方を知って、ぜひこれからの子育てに活かしてください。

幼児期だからこそ、たくさんほめてほしい

幼児期になると自我が芽生えてきますが、ことばで上手に自分の気持ちを伝えられなかったり、思い通りにならないと泣きわめいたりすることも。親の余裕がなくて怒ってしまうことも、赤ちゃん時代に比べてグンと増えてきますよね。

実は、幼児期は子どもの本質的な部分をほめられる貴重な期間。

年齢が上がるにつれて、「成績」や「勝ち負けの結果」など、ほめる内容が目に見える「成果」として現れるため限定的になってしまいがちです。競い合うことは子ども自身の「頑張ろう」という気持ちの後押しにもなりますし、成果が見えやすいので親としてもほめやすいといえるでしょう。けれども、子どもにとってみれば、誰かと比べる気持ちが強くなりすぎたり、結果だけを重視したりするようになるかもしれません。

また、できることが増えるにつれ、「うちの子はもっとできる」と親の期待が高まり、「頑張ったけど、もっとできるよ」といった辛口のほめ言葉や「失敗したらダメじゃない」のような否定的な言葉が口から出てしまう場合もあります。

子ども自身の個性、行動、言葉などをまっすぐにほめることができる幼児期こそ、日々の暮らしの中でたっぷりほめることを心がけてくださいね。

ほめられることで自己肯定感が育まれる

では、幼児期に親からたくさんほめられた子どもにはどんな良いことがあるのでしょう? 一番信頼している大人である親にほめられると、子どもは認めてもらえたと感じ、自信や心の安定感を得ます。自分は自分のままでいいのだという、心の居場所のような「自己肯定感」が自然に育まれていくのです。

「自己肯定感」が育まれると、子どもは自信を持って物事に取り組めるようになります。少し難しいなと思ったことにも物怖じせず、チャレンジしようとしますし、自分や周りの人のことも大切に思うようになります。また、さまざまなことに好奇心を持つようになり、子ども自身の世界を広げることにもなるのです。

反対に、親に叱られてばかりの子どもは、自尊心を傷つけられて、自分はダメな子なんだと自分のことを卑下するようになります。「自己肯定感」が育ちにくく、いつも不安な気持ちにとらわれて、「また叱られるんじゃないか」「叱られるのは嫌だ」とビクビク。叱ってばかりの子育ては、子どもの可能性を狭めてしまうことにもつながるのです。

ほめることで子どもの「自己肯定感」を高めていきましょう。

子どもを伸ばすほめ方のコツってあるの?

皆さまの中には、「いつも『すごいね』、『えらかったね』と伝えているけど、これでいいのかしら?」、「毎日忙しくて、ゆっくり子どもに向き合ってほめるということをしてこなかったから、どうしたらいいのかわからない」とほめることの難しさを感じる人もいるでしょう。
なんでもかんでもほめてしまっても、子どもの心に響かなくなりますので、状況にあったほめ方で「自己肯定感」を育てたいものです。

「自己肯定感」を高めることを目指すなら、「3つのH」を取り入れてみてはいかがでしょうか。子どもを「ほめる」「はげます」「ひろげる」ことを意識して、話しかけるのです。

これは発達心理学の専門家でお茶の水女子大学名誉教授の内田伸子先生が提唱するもので、小学館の幼児教室ドラキッズでも実践している指導方法。それぞれの言葉の頭文字がアルファベットのHで始まることから「3つのH」と呼んでいます。

どのように「ほめる」「はげます」「ひろげる」言葉かけをすればいいのか、具体的に紹介していきましょう。

ちょっと前の子どもと比べて「ほめる」

子どもは自分自身では成長に気づけません。ちょっと前と比べて、「昨日より上手にお片づけできたね」「この頃、好き嫌いなく、いろいろな野菜を食べられるようになったね」といった言葉でほめてみてはいかがでしょう。少し前と比べた具体的な行動についてほめると、子どもの心に届きやすいですよ。

くれぐれも「〇〇ちゃんはまだできないのに、できるなんてすごいね」などよその子と比べるのは避けてくださいね。子ども自身を認める言葉を使って、できるようになったことをほめましょう。

成長の過程では、いいことばかりをほめがちですが、いいことばかりほめなくてもいいのです。成長過程では、思ったようにできないこともあるでしょう。失敗したときや思ったようにできなかったときにこそ、頑張っていたことをほめてくださいね。一生懸命取り組んでいた姿勢について肯定的な言葉で伝えれば、子どもは「ママやパパは、自分をちゃんと見てくれているんだ、ありのままの自分でいていいんだ」と親への信頼感が増し、「自己肯定感」が育ちます。結果ではなくプロセスが大事なのだと実感する経験になります。

小さな目標を立てて、「はげます」

できそうもない目標を立てて、ゴールをめざすのは大人でも困難ですよね。
少しだけ上の目標を立てたら、「もうちょっと頑張ったらできそうだね」と肯定的な言葉ではげましませんか。どうすれば目標を達成できるのか、自分で考えて行動するきっかけになるような言葉を選ぶのも良いですよ。

小さな目標をクリアすることで、「頑張ればできる!」と子ども自身が達成感を得ることができ、自信が生まれます。

次のステップへ向かうために、視野を「ひろげる」

前向きな心で何かに取り組もうとしている子には、「○○でやったら、どうかな?」というようなアドバイスの言葉をかけてみましょう。一人では、なかなか今までと違う方法で行うことを思いつかないので、視点を変えるような言葉で優しく背中を押してあげるのです。新たな視点を得たことによってやり遂げると、「新しいことができた」という実感を持てますし、親子で一緒に喜ぶこともできます。このような成功体験が次もやってみようという気持ちや豊かな好奇心を育みます。

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この記事のまとめ

幼児期は子どもの本質的な部分をほめることができる時期。
この期間にたくさんほめることで、子どもは小さな自信を積み重ねて「自己肯定感」を高めていくのです。成績や競い合った結果をほめるのではなく、小さな変化や頑張ったプロセスなどをほめてくださいね。

特別なことでなくてもいいのです。
子どもにきちんと向き合い、見守ることが大切。それは親子の信頼関係を育むことにもなります。もし、子どもが親を信頼できないと感じていたら、どんなにほめても子どもの心を動かすことはできないのです。
よい親子関係を築くことを心がけて、「3つのH」を思い出しながら、ぜひたくさんほめてくださいね。

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