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2020年06月29日
親のいちばんの願いは、子ども自身が幸せだと実感しながら生きていけること。
そのために、まず子ども自身が「自分は大切な存在である」という気持ちを持てることが大切です。日々の育児の中で、子どもが自己肯定感を高められるように心がけたいですよね。しかし
そう思っても、
「何から始めたらいいの?」
「何歳から取り組むと効果的?」
「特別なことをしなくてはいけないのでは?」
などさまざまな疑問も湧いてくるでしょう。
心配しなくても大丈夫。
子どもの自己肯定感の育成には特別なプログラムや専門的なスキルは必要ありません。
日常の暮らしの中にこそ、自己肯定感を育む機会はたくさんあります。
親子で過ごす時間で自己肯定感を高めていきましょう。
子どもは、自分が話したことや、やったことを聞いてもらえたり、ほめられたりすると、心の居場所を見つけて、自信を持つようになり、「自分はここにいていいのだ」と思う自己肯定感が自然に芽生えていきます。
自己肯定感が育まれた子どもは気持ちが安定し、いろいろなことに興味を持ち、積極的にものごとに取り組むようになります。そのままの自分でいいと感じているので、人の目を必要以上に気にすることなく、自分の考えを素直に表現できます。失敗への恐怖も少なく、失敗しても諦めずにチャレンジします。また自分以外の人も大切に思え、相手の気持ちを想像して接することができます。
特に、いちばん身近で大きな存在である親に認められていると感じられることは、子どもの自己肯定感を育むにはとても重要です。特別なシチュエーションではなく、日常の中で子どもときちんと向き合い、見守り、認めること。それを心がければいいのです。
とはいえ、日々の暮らしでは育児以外にもやることが多く、ついつい忙しく過ごしてしまうもの。嬉しそうに子どもに話しかけられても、おざなりな返事をしてしまうことや「忙しいから後でね」と後回しにしてしまうこともあるでしょう。また、自己肯定感を育まなくては、と肩に力が入りすぎてしまい、思った通りにできないことに戸惑いを感じることもあるかもしれません。
家の中で頑張りすぎず、親子で楽しみながら、できることから、やっていきましょう。
子どもの成長に良いといわれている絵本の読み聞かせ。
絵や色、形を楽しむもの、物語の展開を追うものなど、年齢に応じて、さまざまな絵本がありますよね。絵本を読めば、登場人物の気持ちを思いやったり、絵本の中で起こるできごとに一喜一憂したり、さまざまな感情や体験を味わうことになるでしょう。豊かな感性や語彙力、想像力が磨かれ、自己肯定感を伸ばしていくと考えられています。
ひざの上に乗って、あるいは親の体にもたれて、絵本の世界を楽しむ時間は、子どもの幸せな時間。子どもは親の愛情を感じて安心感や幸福感に満たされるでしょう。
読んだ後に、「とってもおどろいたね」や、「どのページの絵が好きだった?」「気に入った言葉はあったかな?」などコミュニケーションをするのもいいですね。知らないことや気になる言葉が出てきて、「これ、なあに?」と聞かれたら一緒に調べてみましょう。子どもの知的好奇心を刺激することにもなりますよ。
家の中で一緒に過ごすなら、親子で同じ遊びをやってみませんか。
たとえば、粘土遊びを子どもと一緒に楽しんでみるのです。その際は、それぞれ粘土を触ります。粘土遊びの道具を広げたテーブルの前で向き合って「○○ちゃんは何を作る?」「お母さんはお花を作ってみようかな...」などと言葉をかけながら遊ぶのです。作品が完成したら、お互いが作ったものを見せあって会話をしてくださいね。
子どもが頑張っていた部分や工夫していた部分を認める言葉がけをすると、作品を通して子どもの意欲を褒めることにつながり、子どもの自信が深まります。
また、家事を一緒にすることも自己肯定感を育むことにつながります。洗濯ものを一緒にたたむ、食器をテーブルに並べる、拭きそうじをする、といったことを、一緒にやってみよう、と誘いかけてみませんか。
共通のゴールに向かって、親子で一緒に取り組むことで、子どもは「自分は必要な存在だ」と感じます。
どんなことでもたくさん話をしましょう。
自分の知っている言葉で自分の考えや気持ちを伝えることで、子どもはどんどん自己表現力を増していきます。親が感じたことを伝えてあげると、より一層会話が弾みます。
子どもが話している時は、しっかり耳を傾けてくださいね。途中でさえぎったり、否定したりするのは避けるようにしましょう。「自分の言うことを聞いてくれる」「自分の考えをわかってくれる」という安心感が、認めてもらえたという自己肯定感につながります。
このように日常生活をおくるなかで、子どもと向き合う時間を取ることによって、親は子どもの得意分野や好きなものを知ることもあります。子どもの短所だと思っていた部分を長所だと気付くなど、今まで見えていなかった一面を知ることもできるのです。たとえば、何をするにも時間がかかる、と悩ましく感じていたけれど、子どもと向き合い、観察した結果、物事にじっくり取り組み正確にやろうと頑張る性格だと気づく場合も。親自身が子どもの個性をより深く理解するようになって、今まで以上に適切な関わり方ができることもあるでしょう。